太子館で一休みして気が抜けたのかちょっと頭が痛い。とはいえあとひとふんばり、太子館を出て頂上を目指す。出発は御来光に間に合うように夜、8合目までの日中の登山とはちょっと様子が変わって感じる。当然街灯などはなく懐中電灯が頼り、足元を確認しつつ登って行く。夜の登山とはいえ御来光を目指す人は多く、登山道は鈴なり状態、とてもにぎやか。下を見ると、登ってくる人達のライトが鈴なりになっている。また、更に遠くには街の灯が見える。
御来光を目指す登山者のため山小屋は夜も営業。水分補給は日中ほどではないものの、暖かいコーヒーなどの文字に多少心引かれる。(私のデジカメは夜景に弱いので、ここからは写るんです使用)
途中小雨が降る。やはり雨かぁ・・・東京でも梅雨明けしてしていないこの時期に御来光は無理なのかとちょっと悲しくなる。とはいえ、山の天気は変わりやすい。たまに星が見えることもありかすかな期待をもって登る。(逆に雨のおかげであまり気温も下がらずそこそこの気温)
山小屋での焼印も夜間営業。(私は木製の杖ではないので焼印はなし)
途中の山道では、御来光をあきらめたのか何もない登山道の途中で寝ている人達もいる。数人で固まっているならいいのだが、登山の格好のまま一人登山道で寝ている人もいる。フードをかぶり顔のところにはタオルをかぶり、うっすらと顔の形がわかる。懐中電灯に浮かびあがるとのっぺら坊のようでちょっと不気味。
山小屋は8合目の太子館の後いくつかあり、8合5勺の御来光館まで続く。その後は後後一息なのだが・・・ここから体がだるくなり友人達とペースをあわせられなくなる。それに渋滞。冗談のようだが一列に並んだ登山者が帰省ラッシュ時の車のようにのろのろそしてストップ。一定のペースで進めればいいのだが、立ち止まると意識が薄れてしまう。ふと気がつくと前の人は進んでいる。立ったまま寝ているのか?辛い。進むことをあきらめて一人休む。
途中、登山ガイドさんの声「頂上まで後少しです、ここからは自由に登ってください。ツアーの方も個人の方もがんばってください。」自分の参加したツアーのガイドさんかどうかもわからないが、たしかにツアー毎の休憩や点呼はできない。がんばって登るしかない。
少し休むと多少は復活(と言うよりこれ以上間があくと追いつけないとの焦り)なんとかふんばって登る。だんだん登山道も狭くなり、友人達に追いつくために他の火とを追い抜くのも一苦労。やっと追いつくものの、しばらくするとやはりそこでばててしまい、またも一人休んでしまう。追いつくのよあきらめ一休み、(実際、次に友人達に会えたのは、頂上でした。)リュックの中からチョコレートを出して食べる。これは結構効果的で、元気が出てくる、エネルギー不足だったのかもしれない。しばらく後、ふたたび頂上を目指す。
友人達とはぐれ話をする相手もない。私より後ろには友人はいないのだから、ひたすら登るしかない。上を見ると、まだまだ高そう。とりあえずちょっと上に見える鳥居を目指す。あそこまで行ったら一休みしよう。
鳥居をくぐると目の前には階段、そして階段の上から「ここが頂上です、がんばってください」との声。なんで?まだまだ高いところがあったのに、そこが頂上?混乱しながらも階段を上る。登りきると「おめでとう、頂上です」とガイさん。よくわからないけどいい。頂上と言われたらここが頂上。とにかく富士山に登ったんだ(と思うことにした)。